カンリー AIネイティブ・オンボーディング
はじめまして。そして、カンリーへようこそ。
この資料は、入社したあなたが「カンリーがいま、AIとどう向き合っているか」を、肩の力を抜いて掴むためのものです。むずかしい予備知識はいりません。読み終えるころには、自分の仕事を少しだけAIと一緒に進めてみたくなる――そんな状態になれたら成功です。
この資料の柱 全体を貫くのは、次の4つの想いです。
① ここまで来た。「AIオールイン」「第2創業」を宣言してから、カンリーのAIネイティブ化はもうここまで進んでいます。
② ここへ向かう。 まだまだ伸びしろがある。だから、こう進んでいきます。
③ 一歩ずつ、チームで。 でも、気負わなくて大丈夫。自分のできるところから、チームで一緒に一歩ずつ。
④ カンリーらしく。 スピードも数字も追いますが、現場主義とバリューという“らしさ”を何より大切に。
第1部 カンリーのいま ―― ここまで来た、ここへ向かう
1-1. まず、カンリーという会社
カンリーは2018年創業(旧社名Leretto)。ミッションは「店舗経営を支える、世界的なインフラを創る」。主力の「カンリー店舗集客」は、Googleビジネスプロフィール・Yahoo!・Apple・HP・SNSに分散した店舗情報を一元管理・一括更新するSaaSと、専任コンサルタントによる伴走支援です。約13万店舗に有料導入され、ITR調査でセグメント別の国内シェアNo.1。正社員165名(2025年10月)、本社は東京・天王洲ほか大阪・福岡、Co-CEOは辰巳衛・秋山祐太朗です。
サービスは数多く見えますが、いまの主要サービスは2つです。①基幹「カンリー店舗集客」、②「カンリー福利厚生」(マップで近隣優待が探せる福利厚生)。これに、店舗集客のプラン・機能として丸投げMEO(SMB向け)・店舗検索ページ・ローカル在庫・インバウンド対応がぶら下がります。過去にはAI面接・AI動画・カンリーワークなど隣接領域にも挑戦しました(いまはコアに集中)。会社が掲げるのは「両利きの経営」(既存事業の深化×新規事業の探索)と、マーケ領域からHR・SCM・店頭オペまで広げる「店舗経営の統合プラットフォーム」構想です。
1-2.【柱①②】「AIオールイン」と第2創業期 ―― なぜ、どこへ
2025年11月、シリーズC1stクローズと同時にビジョンを「ヒトとAIの力で、店舗の集客力を上げる」へ刷新し、「第2創業期」に入りました。代表からは「店舗×マーケティング×AIにオールインする」という戦略が示され、CAIO(Chief AI Officer)として萩野貴拓がその先頭に立っています。
大切な考え方 AIは、人を“現場に戻す”ための道具です。 カンリーのAIは、コスト削減や人減らしのためではありません。AIに作業を任せることで、私たちが本当に向き合うべき「お客様」と過ごす時間と価値を増やすためのもの。目指すのは「人間味のあるAIカンパニー」「世界で最も現場に強いAIカンパニー」です。この資料の「主役は人、AIは増幅器」という考えは、ここから来ています。 公式note「第2創業期の羅針盤」(2025/11、CAIO萩野)
萩野は、AIを一過性の「プロジェクト」でなく「経営構造」として根づかせるため、3つのフェーズで進めると宣言しています。あなたの仕事も、必ずどこかに関わってきます。
| フェーズ | めざすこと | いまの段階 |
|---|---|---|
| ① 業務改革 人を“現場に戻す” | 営業・CS・開発・広報の繰り返し業務をAIが支援し、お客様と向き合う時間を生む。 | AI推進室を中心に進行中。あなたが最初に関わるのはここ。 |
| ② 事業改革 提供価値・売り方を変える | MEO支援から、情報発信・在庫・口コミ分析まで「集客と運営の両輪を支えるプラットフォーム」へ。 | 前進中(MEO→AIOへ)。 |
| ③ 未来創造 AIで“白地”を拓く | 13万店舗のデータと知見から、AIが新しい事業を生む。 | データ基盤を構築中。最大の伸びしろ。 |
1-3.【柱①】ここまで来た ―― すでに動いている全社のAI
「これからAIをやる会社」だと思って入社したなら、いい意味で裏切られるはずです。カンリーはもう、かなりAIネイティブです。一次情報(社内note・技術ブログ)から、現在進行形の事実を紹介します。
開発 エンジニアはAIで自走している。 全エンジニアがClaude Teamプランへ移行し、Claude Codeで計画〜実装〜検証を進め、最後は人が確認。全社のPdM・エンジニア33名で2日間のAI-DLC(AI駆動開発ライフサイクル)ワークショップを実施し、Devin・Amazon Bedrock・Figma MCPなども日常的に使っています。 公式note「AI-DLCワークショップ2日間」(2026/5)/カンリーテックブログ
全社・数字 セールス支援のAI(Genspark)は、もう数字が出ている。 CSの提案資料づくりにGensparkを3か月試したところ――一人あたり作業時間 約40%減、年間4,000時間超の削減見込み、参加者の63%が作業時間を半分以下に短縮。しかも回答者の100%が品質向上を実感(品質低下は0%)。「2時間かかっていた資料が10分に」という声も。突合業務は3〜4時間→10分(95%減)、Chrome拡張を30分で開発――と、現場から自発的に活用が広がり、いまは約50名が日々使っています。 公式note「Genspark全社活用 登壇レポート」(2026/4、AX部 村口)
プロダクト プロダクトにもAIが入っている。 主力「カンリー店舗集客」のリニューアルでは、Geocoding API×AIで住所を構造化・検証。CTO・CPOは「1週間かかる作業を85%以上削減し、空いた時間を集客・収益という本質に向ける」「機能ではなく価値で差別化する」と語っています。最大の資産である13万店舗データ×AIの基盤(BigQuery等)も構築中で、これがフェーズ3「未来創造」の本丸です。 公式note「CTO×CPO対談 膨大なデータ×AI」(2025/4)/カンリーテックブログ
現在地を一言でいうと――開発のAI=先進的/プロダクトのAI=前進中/データ×AI=構築中/そして全社(あなたを含む現場)への浸透=これからの主戦場。あなたの一歩が、この最後のピースになります。
1-4.【柱①③】AI推進室という、頼れる仲間
「AIに興味はあるけど、何から?」――大丈夫。あなたを支える専任チーム「AI推進室」(AX部)があります。経営直下の横断組織で、テーマは〈全社の生産性向上/既存事業の競争力強化/新規事業の創出〉。AI推進は、こんな3層で回っています。
- トップダウン:経営直下で「AI前提の事業構造」を再設計する。
- ミドル:各部門のアンバサダーが、自チームの業務改善を探索する。
- ボトムアップ:全社員が、日々の業務で生成AIを使う(=あなた)。
仲間 3名のコアメンバー。 萩野(戦略・ロードマップ=川上)、村口(エバンジェリスト=最新ツールを試して「どう使えば成果が出るか」を設計し社内に広める)、三井(AI Operations Manager=AI前提の業務再構築)。困ったら相談できる人たちです。彼らがやっているのは、現場に張り付いて業務を棚卸しし「ここはAI/ここは自動化/ここは人がやるコア価値」と引き直す――この資料の中身そのものです。 公式note「ピザと本音とAIと。」(2025/12)/「AI推進室が語る第2創業期のリアル」(2025/11)
成果 AI推進室は、SMB担当部署で「選択と集中」を行い、SLA違反チケットのゼロ化とCS1人あたり保有案件 約1.5倍を実証。「業務時間の20%をAI推進に」という方針も、現場の公平性・評価への不安に丁寧に向き合いながら合意形成してきました。あなたも遠慮なく、この20%を使ってください。 公式note「ピザと本音とAIと。」(2025/12)
1-5.【柱②】ここへ向かう ―― 伸びしろマップ
カンリーには、まだまだ「これからの伸びしろ」があります。面白いのは、その多くが「いままで人の頑張りで回してきたが、まだ仕組み化できていないこと」=AIが一番効く領域だということ。だから伸びしろは、そのまま私たちの成長ロードマップです。
| 伸びしろ | いまの状態 | AIで効く打ち手 | どう伸びるか |
|---|---|---|---|
| ① 商談創出(IS) | 立ち上げ途上。業態別トークの型はこれから。 | 業態別トークの型をAI生成/商談メモ→次アクション抽出。 | 人を増やさず商談を増やし、高成長の供給力を確保。 |
| ② 業態別の深耕 | 横に広く訴求。業態別に深く刺すのが急務。 | 13万店舗データ×AIで業態別の勝ち筋を量産。 | 取りこぼしを回収し、受注率を底上げ。 |
| ③ SMB×AI | 国内の約8割。売り方を模索中、拠点・代理店も育成中。 | 運用のAI省人化/SMB向けセルフサーブ+AI伴走。 | 約370万店舗のSMBを“面”で獲る。 |
| ④ CSの仕組み化 | 1人30〜40社。属人化を解消したい。 | FAQ自動応答/解約予兆検知(GensparkでCS資料はすでに前進)。 | 急成長でも低解約率を維持し、CSを拡張エンジンに。 |
| ⑤ データ×AI(本丸) | データ基盤を構築中。 | 集客最適化・投稿生成・口コミ対応のAI機能。 | コアの価値と単価を上げ、競合との“堀”を深める。 |
| ⑥ 管理・ガバナンス | 法務・情シス・IRが“1人目”。上場準備中。 | 法務AI・決算自動化・開示ドラフト(最終確認は人)。 | 少人数のまま上場企業水準へ。 |
これらに共通するのは「人の頭の中にある判断軸を、AIに渡せる形に言葉にする」こと。第2部で学ぶことが、そのまま全部に効いてきます。
第2部 あなたの一歩 ―― 自分のできるところから、チームで
ここからは実践編です。難しく考えないでください。たった4つの原則を、今日の自分の仕事に一つだけ当てはめる。それだけで十分なスタートです。各原則は「なぜ → カンリーの実例 → あなたの番」で進みます。
4つの原則
- 仕事をほどく ―― 仕事を「入力・処理・出力」に分けると、任せられる工程が見える。
- 考え方を渡す ―― プロンプトは命令でなく“思考の設計図”。自社の「正解・理由・型」を渡す。
- 小さく始めて、人が確かめる ―― 完璧を待たない。AIは間違える前提で、最後は人が確認する。
- 巨人の肩に乗る ―― 汎用ツールを優先。自作は本当に必要な一点だけ。
約束(安全) 店舗・顧客・個人の情報は、許可された場所にしか入れない。 カンリーは13万店舗の情報や口コミ・個人情報を扱う事業です。会社が許可したツール以外に機密を貼らない/口コミ操作や誤解を招く表現に使わない(景表法・各プラットフォーム規約の順守)。詳しくは付録B。迷ったらAI推進室や部署のアンバサダーに気軽に聞いてください。
原則1 仕事をほどく ―― 入力・処理・出力に分ける
なぜ、これが最初なのか
「この仕事、AIにやらせられる?」と丸ごと考えると手が止まります。どんな仕事も入力(材料)→ 処理(考える・つくる)→ 出力(成果物)に分け、「ここはAI、ここは人」と置けば、必ず任せられる一工程が見つかります。
カンリーの実例
現場 CSの提案資料づくりを“ほどいた”。 月次定例の提案資料は「お店のGBPデータ(入力)→ 分析しインサイトと改善策を構成(処理)→ スライド(出力)」。この処理をGensparkに任せたら、2時間が10分に。空いた時間は、お客様の課題に一緒に向き合う本来の仕事へ。これがフェーズ1「人を現場に戻す」の実例です。 公式note「Genspark全社活用 登壇レポート」(2026/4)
現場 コードが書けなくても、ほどけば変えられる。 AX部の池田はZEN大学の講義で「私はコードを一切書けません」と前置きしつつ、「人間がやらなくていい作業を、どう機械に渡すか」を語りました。50人分のフォルダ作成と権限設定を、AIに書かせたGAS(Google Apps Script)で60分→10秒に。 公式note「ZEN大学講義『AIに丸投げ』はなぜ失敗するのか」(2026/4)
あなたの番
- 今日:自分の定例業務を1つ選び、「入力/処理/出力」で3分割する。
- 次に:最も“作業っぽい”一工程をAIに任せる(資料・投稿文のたたき台など)。
- 得られるもの:「全部は無理でも、ここは任せられる」という最初の成功体験。
原則2 考え方を渡す ―― プロンプトは“思考の設計図”
なぜ、これが効くのか
AIは「正解の知識」より「あなたの考え方」を知りません。良いプロンプトは命令でなく「どう考えてほしいか」の設計図。役割・手順・出力の形を渡し、さらに自社の「正解(あるべき姿)/理由(なぜ)/型(どう)」を渡すと、一般論でなく“カンリーの答え”が返ります。
カンリーの実例
現場 “正解の再定義”は、もう社内で起きている。 M&Aで引き継いだ「トストア」をカンリー店舗集客へ統合する際、エンジニアは「旧システムの“正解”をどう定義し直すか」からデータ整合性に向き合っています。属人化した判断軸を言語化し、AIにも人にも渡せる“正解”に作り直す――本章の実践そのものです。 カンリーテックブログ「トストアからカンリーへの統合」
13万店舗の運用データと各社のブランド基準(表記・トーン・禁止事項)を「正解」としてAIに渡せば、投稿文や口コミ返信は「そのブランドらしい・正確な」ものになります。村口さんの言う「どう使えば成果が出るか」の設計とは、まさにこの“考え方を渡す”ことです。
あなたの番
- 今日:よく使う指示を「役割+手順+出力の形」の型に書き直す(付録C-1)。
- 次に:自分の業務の「正解・理由・型」を1ページにまとめ、AIに読ませる(付録C-3)。
- 得られるもの:毎回ゼロから説明せずとも、安定して“カンリーらしい”出力が出る。
原則3 小さく始めて、人が確かめる ―― Human-in-the-Loop
なぜ、完璧を目指してはいけないのか
AIは「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」を返すことがあります。だから「AIは間違える前提で、最後は人が確かめる」。失敗してもこわくない領域から小さく始め、手応えを見て広げます。バリュー「まずやってみろ」の出番です。
カンリーの実例
現場 開発の最前線が、この原則を制度にしている。 全社で行ったAI-DLCの核心は「AIが実行し、人間が監視する」――AIが計画・実装を担い、人は検証・意思決定・最終責任を持つ、という役割分担です。完全自律はまだ信頼できない、という現実を踏まえています。 公式note「AI-DLCワークショップ2日間」(2026/5)
現場 「捨てる判断」も成果。 SREチームは問い合わせ業務のAIエージェントを作りましたが、限界が見えて約3か月で停止し、別の形へ作り直しました。CSチームも「AIがすべて自動で解決する世界はまだ遠い」と正直に向き合っています。小さく試し、見極めて畳む――それも立派な前進です。 カンリーテックブログ「捨てる判断も成果になる」/公式note「AIとチャットがつくる新しいサポート体験」(2025/12)
池田さんの講義の後半は「『AIに丸投げ』はなぜ失敗するのか」。AIは“それっぽく動くもの”をすぐ作りますが、人が正解と照らして確かめなければ実務には使えません。とくに店舗情報(営業時間・住所など)は誤りがお客様の不利益に直結するので、AIの出力をそのまま反映せず一次情報と突き合わせます。
あなたの番
- 今日:失敗してもこわくない業務を1つ選び、AIのたたき台に「人の確認」を一手だけ足す。
- 次に:その確認手順をチェックリストにする(付録C-5)。
- 得られるもの:速さと正確さを同時に握る、安全なAIの使い方。
原則4 巨人の肩に乗る ―― 汎用ツール優先、自作は最後
なぜ、自分で作らないほうがいいのか
AIは進化が速く、汎用ツールが毎月強くなります。いきなり自作に走ると保守に追われ、進化に取り残される。まず汎用ツールで試し、本当に必要な一点だけ自作するのが賢いやり方です。
カンリーの実例
現場 カンリーは「巨人の肩」の達人。 全エンジニアがClaude Teamへ移行し、Claude Code・Devin・Amazon Bedrock・Figma MCPを使い倒す。AI推進室はGemini・Claude・Gensparkなど最新ツールを試して社内に広め、非エンジニアの池田さんは無料ですぐ使えるGASをAIと組み合わせて成果を出しました。「自作」は、社内エージェントやデータ基盤など“ここだけは自社に効く”一点に絞っています。 公式note「Genspark全社活用 登壇レポート」(2026/4)/カンリーテックブログ
ツールの階段
- 汎用チャット(要約・下書き・壁打ち)
- 資料限定型(渡した資料だけで答える=精度重視)
- カスタム設定型(役割・知識ソースを固定=提案力)
- 業務組み込み(既存SaaS・基盤に接続)
- 自作(本当に必要な一点だけ)
あなたの番
- 今日:今の業務を、上の「階段」のどこで解けるか1段で考える。
- 次に:自作したくなったら「汎用で代替できないか」を必ず先に検討する。
- 得られるもの:進化に乗り続けられる、軽い身のこなし。
応用 自律と統制を両立する
4つの原則を続けると、あなたは「一定品質まで自分で判断できる」状態(自律)に近づきます。同時に、店舗情報の正確性や個人情報・口コミの扱いには統制が要る。両立のコツは3つです。
- 適材適所:型化しやすく失敗コストの低い領域(投稿文・提案たたき台・FAQ)から。影響の大きい所(店舗情報の最終反映・採用判断)は人が握る。
- 技術:人が精査した「正解FAQ」を最優先ソースに据え、自由度を保ちつつ正確性を担保(付録C-4)。
- カルチャー:最高のリスク管理は、技術でなく文化です。「まずやってみろ/正直であれ/圧倒的当事者意識」が、小さく試し・失敗を隠さず・最後は人が責任を持つAI運用と噛み合います。
現場 開発組織はClaude Teamの管理機能でアクセス・利用・コストを統制し、追加使用量の割引条件まで検証しています。AI推進室は「20%ルール」を公平性・評価への懸念に丁寧に答えながら定着させました。自律的に使い倒すほど、こうした“統制の設計”が効いてきます。 公式note/カンリーテックブログ
終章 【柱③④】カンリーらしく、続けていく
一歩ずつ、チームで
ここまで読んで、「自分にできるかな」と思ったかもしれません。大丈夫です。カンリーのAI浸透は、こうやって広がってきました――社内Slackの「#genspark使おうよ」のようなチャンネルで成功事例を気軽に共有し、勉強会で教え合い、「同じチームの人がやっているのを見て、自分もやってみる」。推進側が一方的に教えるのではなく、隣の人の小さな一歩が次の一歩を呼ぶ。あなたの最初の一歩も、誰かの背中を押します。
浸透の型 全社展開は、こんな5ステップで進めてきました:①小さくPoC(数字で検証)→ ②勉強会 → ③Slackでナレッジ共有 → ④教え合う自走文化 → ⑤効果が見えた業務から拡大。あなたの部署にもアンバサダーがいます。困ったら頼ってください(詳しくは付録E)。 公式note「Genspark全社活用 登壇レポート」(2026/4)
カンリーらしさを、大切に
最後に、いちばん大切なことを。AIはあくまで増幅器で、主役はいつも人です。カンリーが大切にしている5つのバリュー――お客様の理想から入れ/まずやってみろ/圧倒的当事者意識/利他主義でいこう/正直であれ――は、AI時代にもまったく変わりません。むしろ、AIで作業が軽くなるほど、お客様に向き合うあなたの「現場力」と「判断」が、これまで以上に価値になります。
最後に カンリーは、もうこんなにAIネイティブです。 でも、完成形ではありません。残りの一歩は、あなたを含む一人ひとりが、自分のできるところから始めること。スピードと数字を追いながら、現場主義とバリューという“らしさ”を手放さない。AI革命のただ中で、世界一の景色を、チームで一緒に見にいきましょう。ようこそ、カンリーへ。
付録A あなたの最初の一歩(レベル別)
まだAIをあまり触っていない人へ
- 1つの作業を「入力・処理・出力」に分ける
- 資料・投稿文の“たたき台”をAIに作らせ、人が直す
- 機密は許可ツールにしか入れない(付録B)
- 部署のアンバサダーに「何から始めるといい?」と聞く
もう少し使ってみたい人へ
- 「役割+手順+出力の形」でプロンプトを型化(C-1)
- 自分の業務の「正解・理由・型」を1枚に(C-3)
- うまくいったらSlackで共有して、誰かの一歩を助ける
チームの仕組みにしたい人へ
- 「正解FAQ」を作り最優先ソースに指定(C-4)
- AI化する領域と人が握る領域を仕分け、最終確認を制度化
- 小さくPoC→数字で検証→勉強会→展開(付録E)
付録B 安全に使うために
- 機密・個人情報:店舗・顧客・個人の情報、未公開の数値は、会社が許可したツール以外に入れない。
- 口コミ・景表法:口コミの操作や、事実と異なる・誤認を招く表現にAIを使わない。
- プラットフォーム規約:Google等のガイドラインに反する自動化・表現をしない。
- 正確性:営業時間・住所等の店舗情報は、AI出力をそのまま反映せず一次情報と突き合わせる。
- 出典確認:AIの主張には根拠を添えさせ、人が検証する。
付録C すぐ使えるテンプレート集
C-1 プロンプトの土台(役割+手順+出力の形)
あなたは多店舗の集客に詳しいカンリーの運用コンサルです。
次の手順で考えてください:
1) 目的と対象(業態・エリア)を確認
2) 現状の店舗情報・口コミの課題を洗い出す
3) 改善の打ち手を優先度つきで提案
出力の形:「結論 → 根拠 → 次の一手」。専門用語は噛み砕く。
不明点は推測せず質問してください。
C-2 良い例を見せる(Few-shot)
# 良い投稿文の例(ブランドのトーンに合致)
(自社の良い投稿を2〜3本貼る)
# 上の例のトーン・長さに合わせて、今週の投稿文を3案作って:
(店舗情報を貼る)
C-3 「正解・理由・型」知識ソースのひな型
■正解(あるべき姿):店舗情報は一次情報と一致。口コミ返信は丁寧・事実ベース。
■理由(なぜ):情報の不一致は来店機会の損失と信頼低下に直結するため。
■型(どう):返信は「感謝→事実確認→改善/案内」の順。禁止表現リスト…
C-4 「正解FAQ」のひな型
Q. 低評価の口コミにはどう返信する?
A. (自社の確定スタンス=人が精査した「正解」を記載)
※このFAQをAIの最優先ソースに指定し、ここから外れた回答はさせない。
C-5 人が確かめるチェックリスト
- 事実(営業時間・住所・価格・メニュー)は一次情報と一致しているか
- ブランドのトーン・禁止表現に反していないか
- 個人情報・機密が含まれていないか
- 景表法・プラットフォーム規約に抵触しないか
- 根拠(出典)が示されているか
付録D 用語集
- MEO:地図検索で“見つけてもらう”ための最適化。カンリーの本業。
- AIO / LLMO:AIに選ばれるためのサイト最適化(SEO/MEOの次)。
- ハルシネーション:AIが事実と異なる“もっともらしい嘘”を出すこと。
- Human-in-the-Loop:要所に人の確認・判断を挟む運用。
- AI-DLC:AI駆動開発ライフサイクル。AIが実行し人が監視する開発手法。
- CAIO/AI推進室/AX部:AIを経営の中核として推進する責任者・横断組織。
- アンバサダー:各部署のAI活用キーパーソン。あなたの相談相手。
- PoC:小さく試して効果を検証すること。
付録E 全社展開の5ステップ&ガバナンス
E-1 全社展開の5ステップ(AI推進室の型)
- 小さくPoC:数字で「本当に使える」かを検証する。
- 勉強会:アンバサダーや活用者が、現場にやり方を共有する。
- Slackナレッジシェア:「#〇〇使おうよ」で成功事例・つまずきを気軽に共有。
- 自走文化:「これどうやるの?」を社員同士で教え合う流れをつくる。
- 展開:定量・定性で効果を評価し、ROIが見えた業務から広げる。
E-2 AI利用ルール(1枚)
- 使ってよい場面:たたき台作成・要約・分析・壁打ち 等
- 入れてはいけない情報:店舗/顧客/個人情報・未公開数値(許可ツール以外)
- 必ず人が確認:店舗情報の反映・採用判断・対外文章・口コミ返信
- 困ったら:AI推進室/各部署のアンバサダーへ
この資料のもとにした情報
本資料は、カンリーの一次情報(公式note 全164記事・会社紹介資料 ver2026.03・カンリーテックブログ/Zenn・プレスリリース・ITR調査)をもとに作成した社内向けオンボーディング・ドラフトです。主な参照note:「第2創業期の羅針盤」(2025/11)/「AI推進室が語る第2創業期のリアル」(2025/11)/「ピザと本音とAIと。」(2025/12)/「Genspark全社活用 登壇レポート」(2026/4)/「AI-DLCワークショップ2日間」(2026/5)/「ZEN大学講義:AIに丸投げはなぜ失敗するのか」(2026/4)/「AIとチャットがつくる新しいサポート体験」(2025/12)/「CTO×CPO対談 膨大なデータ×AI」(2025/4)。数値・固有名詞は時点により変わることがあります。最新情報はAI推進室・各部署のアンバサダーに確認してください。